Bildung2017年1月27日

バイエルン州への更なる「プラスα」 - 日本の学習塾がミュンヘンに開校します。

ミュンヘンのゼンドリンガー門の近くに日本の学習塾「京進」(Kyoshin Deutschland GmbH)が新たに開校しました。京進の新校開校は、デュッセルドルフに30年前に最初の塾を開校して以来のことであり、候補地選定は非常に慎重に行われました。その上でミュンヘンが選ばれました。

さてここで、日本の学習塾がインベスト・イン・ババリアにとって重要だという事実をより深く理解したいと思います。

日本の学校制度はアメリカと似ています。小学校6年間、中学校3年間、高等学校3年間、そして大学4年間と続きます。そして、通常は卒業試験の代わりに入学試験が課されます。「評判の良い学校ほど競争が激しい」とよく言われます。なぜなら、日本で最終的に重要なのは「何を勉強したか」ではなく「どの大学で学んだのか(どの大学に受かったのか)」ということだからです。「良い学校」で学んだ学生には大抵の場合、明るいキャリアが開かれています。

そのような厳しい入学試験の準備のために俗に言われる「詰め込み教育」、あるいは「塾」が日本の教育システムで重要な役割を果たしています。塾の授業は午後遅く、あるいは夜に行われます。このようなシステムが出来て以来、様々な分野で塾の是非が議論されています。

「塾での詰め込み勉強によって子供たちが十分な余暇を取れないことが、子供の身体や精神に深刻な害を与えるのではないだろうか。」

このような議論はしかし、しばしば次のような諦め気味の見解で締めくくられます。「日本は資源に乏しい国だから、教育がこの国のイノベーションと繁栄を保証するものとなっている。」

日本には既に500万校ほどの塾があります。その中の一つが「京進グループ」です。京進は1975年に京都で創立されました。その創立目的は、進学のための入学試験準備や、学校の授業補佐に加え、子供同士、また保護者同士の交流の場を提供することでお互いの助け合いの精神を高めることでした。現在、アメリカ、中国、そしてドイツのデュッセルドルフとミュンヘンに海外校があります。

家族と共に一定期間バイエルン州に滞在する日本人が直面のが「海外滞在期間中、子供たちをどのように日本の学校制度に合わせられるのか」という問題です。

ミュンヘンにはいくつかの選択肢があります。ミュンヘン日本人国際学校は9年生までクラスがありますし、土曜には補習校が、そしてもちろん、インターナショナルスクールや現地校もあります。

しかし、3年から5年の滞在後に日本に戻る場合、子供たちはもう一度、日本の学校制度に溶け込まなくてはなりません。子供たちにとって、数年の海外生活は豊かな経験や視野を広げる事になります。しかし一方で、先に述べた大学の「入試地獄」を考えれば子供の教育に関する悩みは大きく、大半の家族はそもそも海外駐在には同行しないのです。結果家族はバラバラに住むことになり、それが家族全員にとって大きな負担となるかもしれません。

この様な背景もあり、京進デュッセルドルフ校にはここ数年間、「いつになったらミュンヘンに塾を開校するのか」という問い合わせがミュンヘン駐在者から相次いでいました。そして京進は、必要性を十分に検討した上でミュンヘンにドイツで2校目となる塾を開校することを決定しました。

2015年4月には、京進の役員による初のミュンヘン視察も行われました。

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