Location factors 2018年4月26日

営業税賦課率:拠点選択に際する資金面での長所

起業が拠点を選定する際に検討すべき点は多くありますが、市場参入機会、成長可能性、才能ある人材の確保、企業の拠り所となる地域ネットワークの有無など、これらは多くの要素のほんの一部にすぎません。その中でも忘れてはならないのはファイナンス、つまり税金についてです。

重要なキーワードが「営業税賦課率」です。これは、ドイツの地方自治体がそれぞれ独自に定めている、その地域に拠点を置く企業に対する課税率を表します。法律で定められている基本の営業税率に、自治体ごとの賦課率を掛けて計算します。

 

計算式

営業所得×基本の営業税率3.5%×各自治体が定める賦課率

例:ミュンヘンの営業賦課率

100万ユーロ×3.5%×490%(ミュンヘンの賦課率)=171,500ユーロ(営業税)

営業税を節約

 

低い賦課率が企業を誘致するための効果的な要素であることは、すでに多くの自治体が周知の事実です。ですから、各自治体が賦課率を下げすぎることを防ぐため、賦課率は最低でも200%と定められています。


まず自社にとって何が重要なのかを見極めることが企業にとっては重要なことでしょう。賦課率の低い自治体に拠点を置くことにメリットがあるのか、各企業はそれぞれのビジネスモデルに応じて考える必要があります。隣接する自治体に目を向けることも大切です。隣り合う自治体であっても、営業税賦課率が大きく異なる場合があります。これを頭に入れておけば、立地場所のクオリティーを大きく損なうことなく、納める税金を節約することができます。

 

バイエルン州の営業税賦課率

 
各自治体は賦課率を毎年独自に決定できますので、その点には注意が必要です。企業の立地場所について、移転や進出の際には最新の賦課率を事前に調べておきましょう。
平均の賦課率が最も高いのはハンブルク市です。実は、バイエルン州はブランデンブルク州に次いで平均賦課率が低い州です。2000以上あるバイエルン州の地方自治体は賦課率を230~490%に設定しています。この賦課率の違いは、都市か地方かということも関係しています。経済力のある都市部では地方より賦課率が高い傾向にあります。
バイエルン州で最も賦課率が低いのはシュヴァーベン行政管区東アルゴイ郡に属するレッテンバッハ・アム・アウアーベルクと、ウンター・アルゴイ郡に属するヴォルファーシュヴェンデンで230%となっています。また、最も高いのはオーバーバイエルン行政管区のミュンヘン市で490%です。例えばミュンヘンの隣にあたるグリューンヴァルトでは賦課率が240%ですから、隣接する自治体に目を向けることの重要性がわかるでしょう。
バイエルン州の工業団地や産業立地について情報をお探しの方は、インベスト・イン・ババリアにご相談ください。また、インターアクティブ・コンペテンツ・マップ(英語版)にも情報が掲載されていますので、是非ご活用ください。(英語版 interaktive Kompetenzkarte)