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北バイエルンのオートメーション・バレー
バイエルン州北部には自動化技術に関連する産業が集まっている。この地域で形成されたネットワーク、「オートメーション・バレー」は、様々な産業領域にまたがる技術を持つ企業を結びつける。また、連携によって地域の経済力が強化され、それが地域の魅力を高める役割も果たしている。
バイエルン州北部はグローバル・プレイヤー、隠れたチャンピオン企業、そしてミッテルシュタント(前述の”Mittelstand”、製造業を中小とする優良な中堅企業)の宝庫だ。南ドイツ経済圏の中でも、この地域は業種の枠を超えて様々な企業が集まる産業集積地となっている。自動車産業界で世界的サプライヤーとなっているシェフラー社、IT業界で税務処理に特化したサービスを提供する公益法人DATEV、スポーツ用品メーカーとして世界のトップを走るアディダス社などが軒を連ねる。
ニュルンベルク、コーブルク、アシャッフェンブルク、レーゲンスブルクなどが「オートメーション・バレー」の主要都市である。ここには今日、特に自動化技術の分野で特筆すべき企業が集まる。自動化技術は工作機械、電気工学、情報工学など様々な分野に関わる根幹的な技術であり、製造からサービスまで、あらゆる業種に影響を及ぼしている。
この地域の可能性をより高めるため、2004年にバイロイト、コーブルク、ニュルンベルク、ヴュルツブルク、レーゲンスブルクの各商工会議所が協力し「北バイエルン・オートメーション・バレー」を設立した。今年で11年目を迎えるネットワークは、地域の革新力を強化することに多いに貢献している。ヴュルツブルク北西に位置するローア・アム・マイン市にあるボッシュ・レックスロス社、ニュルンベルク市のバウミュラー社やE-T-A社、エアランゲン市のハイテック社など、今や250社もの企業が「オートメーション・バレー」に参加している。また、企業だけでなく、フラウンホーファー研究所、バイロイト大学などの優れた研究機関もネットワークのメンバーだ。
自動化技術に関連する何らかの事業を行う企業で、フランケン地方と北バイエルン地方に事業所を置く企業であれば、このネットワークに参加する価値がある。メンバーになるためには費用はかからない。このネットワークを利用すれば、研究開発に必要な適切なパートナーを素早く見つけることができる。ワークショップやマーケティングセミナーなど、提供される様々なイベントの機会を活かせば、常に新しい情報を得ることができる。もちろん、業界で今最も注目されている専門的テーマについても定期的に情報発信がされている。
毎年恒例となっている「オートメーション・デー」が今年は7月15日にニュルンベルクで開催される。オートメーション・バレー、バイエルン州メカトロニクス&オートメーション・クラスター、ソフトウェアの品質管理と人材育成を行うIT産業界の利益団体ASQFが共催する「オートメーション・デー」。今年のメインテーマは「工作機械のアグリゲーション」だ。