研究&開発 2015年11月10日

ミッテルシュタント-バイエルン州ほど革新的な場所はない

ミッテルシュタント=ドイツ語Mittelstand=特に研究開発に力を入れ、製品品質や得意性でニッチ市場において成功している中規模企業のこと。

 

バイエルン州のミッテルシュタントが特に際立っている点は、創造性と革新性だ。週刊経済誌Wirtschafts Woche(ヴィルトシャフツ・ヴォッヘ)の最新の調査によると、最も革新的なミッテルシュタントはバイエルン州でみつかる、と言う。

ヴィルトシャフツ・ヴォッヘ誌の依頼を受けた企業コンサルタント、ミューニック・ストラテジー・グループが、ドイツのミッテルシュタントのイノベーション・チャンピオンをつきとめた。その結果、トップ3はバイエルン州の企業であり、かつトップ50に入った創造的ミッテルシュタントの3分の1はバイエルン州にあった。

 1位はオーバーバイエルン地方ランツベルク・アム・レッヒ市にあるRational(ラショナル)社である。この業務用オーブンのメーカーは高い品質基準と自社製品をたゆまず改良・発展させることで他社の追随を許さない世界のトップメーカーとなっている。従業員として雇用されている300人の調理師は現場の要求を細部に渡って知りつくしており、痒いところに手が届くような革新的な解決策の開発を可能にする。革新に向けた戦略が事業の成功を保証することは、このバイエルン州の勝者が約480に及ぶ特許を持つことで裏付けられている。

2位はコーブルク市の圧縮空気スペシャリスト、KAESER-KOMPRESSOREN(ケーザー・コンプレッサー)社だ。このフランケン地方のファミリー企業は、顧客の利益に適う機械と設備の高度に知的なネットワークを開発し続けること、そして、それによってインダストリー4.0の牽引役になること、を標榜する。顧客からの運用データは自動的にケーザー・コンプレッサー社のセンターに送られる。これにより、データの不規則性が瞬時に検知され、改善される。そのようにして得られた知見が製品の改良に生かされている。

3位はフォルヒハイムの特殊フィルムメーカー、Infiana(インフィアナ)社である。このフランケン地方のミッテルシュタントは研究開発に重きを置く。社内の研究施設で顧客の多様な要望に対応する革新的な解決策を探り、それぞれの要望に応じたフィルムを製造している。顧客が求めているフィルムを提供することこそが、開発チームの任務だ。

研究開発はバイエルン州が特に得意とするところだ。昨年の特許出願件数は他のどの州に比べてもバイエルン州が多かった。ドイツ特許庁の統計にしても、欧州特許庁の統計にしても、バイエルン州に及ぶところはない。バイエルン州は革新的な企業にとって理想的な土地である。世界中の企業にとってバイエルン州に拠点があるというのは、まさにグッドアイデアなのだ。