#bytevaria 2021年12月09日

2021年スタートアップへの投資(1):デカコーン1社、ユニコーン6社など、バイエルン州のスタートアップに多額の投資

コロナ危機にも関わらず、バイエルン州のスタートアップは2021年も成長と拡大に必要な多額の費用を集めることに成功しました。市場評価、技術的アプローチ、重点分野の観点から、非常に多様な新興企業の全体像が浮かび上がります。これはバイエルン州のクロスインダストリー・ハブとしての先駆的役割を同時に、あるいはまた正にこの新興企業の分野で、強調するものと言えます。2021年のバイエルン州のスタートアップの状況を振り返る連載を2回にわたって掲載します。

2021年のハイライトの一つは、技術系大企業アップル社が100億ドル以上の価値があると評価される新興企業「デカコーン」の一社Celonis社のプロセスマイニング研究拡大のために、ミュンヘンの研究所に10億ドルを出したことです。それ以外でも、革新力のあるバイエルン州新興企業がベンチャーキャピタルのおかげで近年ユニコーン(評価額10億ドル以上)リーグへの参戦を果たしています。

 

  • Celonis: ミュンヘンのスタートアップである同社は既に2018年にユニコーンと評価されています。昨年6月の資金調達以降は100億ドル以上の価値があると評価されるようになっており、バイエルン州最初のデカコーンとなりました。2011年に設立されたCelonisは複雑なビジネスプロセスをデータに基づいて賢く管理することを可能にしました。その際、弱点を明らかにするために、その過程を自動で調査しています。同社は今やニューヨークにも支社があり、SAPなどの企業とも協力しています。
  • Agile Robots:同社はスケーラブル・キャピタルと並んでバイエルン州で最も若いユニコーンです。2018年に創業し、ミュンヘンと北京に拠点を置く同社は、昨年9月には1億8600万ユーロを調達しました。AI制御された同社のロボットは工業・医療分野で使われています。
  • Flixmobility:既に2016年の時点でユニコーンと評価された交通系スタートアップFlixmobilityは、新たにFlixTrainで持続可能な移動手段のレールを延長しています。主要市場の欧州と並んで北米でも事業を拡大しており、昨年10月には米国のマーケットリーダー、グレイハウンド社を買収しました。
  • Lilium:2015年創業のこの交通系スタートアップLiliumは、創業から5年でユニコーンとなり、現在では評価額30億ドルです。約600人の従業員が電気で動く空飛ぶタクシーの開発にあたっています。同社の投資家の一人はエアバスの元社長、トーマス・エンダー氏です。
  • NuCom Group:2017年の創業以来ミュンヘンにグループ本社を置き、国内外B2Cスタートアップを結びつけることに注力しています。既に創業の翌年にはユニコーンの称号を得て、22億ドルの評価を得ています。
  • Personio:このソフトウェア・カンパニーはミュンヘンで2014年に創業し、中小企業の労務管理を簡便にするデジタルソリューションを開発しています。2021年初頭には17億ドルのスケールアップをして、チャンピオンズリーグの仲間入りを果たしました。今では市場価値は63億ドルにまでなっています。
  • Scalable Capital:2014年にフィンテックのスタートアップとして創業し、その6月の最初の資金調達で14億ドルの価値を付けられました。2016年に正式にスタートしたオンラインプラットフォームで、今や30万人に迫るユーザーが株式やETF、国債の取引を行っています。同社の最新情報は、創業者のエリク・ポズワイトCEOのインタビュー記事で知ることができます。

バイエルン州のユニコーンの数が増えているだけではありません。ここでは新しい、小さなスタートアップが成長曲面を描いています。どのようスタートアップが、どのようにしてバイエルン州のスタートアップ・エコシステムから恩恵を受けているのか、次の回でご紹介します。

 

Foto: © Celonis