MCBW:ミュンヘンでバイエルン州のクリエイティブ産業に出会う

ミュンヘン・クリエイティブ・ビジネス・ウィーク(MCBW)が9日間ミュンヘンで開催され、ミュンヘンにバイエルン州のクリエイティブ産業が終結しました。人工知能やデジタル・トランスフォーメーションといったテーマがほぼ独占しました。そして、クリエイティブ産業のスタートアップにとってはネットワークづくりや更なる成長のための好機となりました。

国際的に重要なクリエイティブ産業の拠点であるバイエルン州は、イノベーションと未来志向で経営的な視座を持つ、デザインとビジネスを結び付ける溶鉱炉です。3月9日から17日までミュンヘンで行われたミュンヘン・クリエイティブ・ビジネス・ウィーク(MCBW)はそのことを示しています。MCBWはバイエルン・デザインGmbH、バイエルン州経済省、ミュンヘン市が主催、後援しています。展示会や内覧会、イベントやキャンペーンなどミュンヘンとバイエルン州内の150か所以上で行われる様々なイベントを間近に感じ、デザインを多角的に理解することが目的です。その方向性を示すモットーは「デザイン・コネクト」です。何故なら、デザインは人間同士を結び付け、人間と技術、あるいはデジタルとアナログを結び付けるからです。


デザイン系スタートアップへのサポート-起業家プラットフォーム


MCBW2019の中でも特に「MCBWスタートアップ・プログラム」でデジタル系および未来志向型テクノロジーに焦点があたったのは驚くにあたりません。デザインはビジョンともつながっているからです。「スタートアップあるいは革新的なビジネスアイデアを支援するのは将来への直接投資です。デザインのやり方というものは、アイデアの発見にも、製品やサービスへの最適な落とし込みことにもつながっているからです。」と主催者は述べています。バイエルン・デザインGmbHが立ち上げた起業家プラットフォーム「MCBWスタートアップ」は、デザイン系スタートアップはもちろん、若手から熟練デザイナー、そしてビジネスの専門家までも含めた交流を促進しています。


スタートアップから世界的なプレイヤーまで-72時間で「ムーンショット」


起業家ワークショップ、コーチング、講演などから構成された 「ツール・フォー・ファウンダー」と冠したイベントでは、クリエイティブビジネスに参入しようとする企業にパートナー企業がその知識を授けました。ブランディング、デザイン戦略、組織作り、知的財産、クラウドファンディングなどが議題となりました。しかしながら、既に情報収集の段階から次のステップに移行しようとするスタートアップにはMCBWで一回限りのチャンスが与えられました。これは、「ムーンショット」、つまり「月ロケット打上げ」とネーミングされたこの支援策では、数十人のエキスパートが72時間かけてスタートアップ一社をグローバルプレイヤーにまで引き上げるという試みです。戦略、CSRコンサルティング、リスクマネジメント、インダストリーデザイン、マーケティング、更には税金や法務コンサルティングまでを集中的にレクチャーします。

MCBW 「ムーンショット」:様々なエキスパートの力でスタートアップをグローバルプレイヤーに変える(MCBW/Hillinger-Perfahl)

もちろんMCBWで話題になった革新的なテーマはスタートアップに関わることだけではありません。例えばミュンヘンのTAWNY社は人工知能(ロボットなど)の感情表現のためのインターフェイスとしてデザインがいかに役立つかを示しました。他にはミュンヘンのデザイナーと建築家が都市部のスマートシティとデジタル・トランスフォーメーションについて議論をしました。

バイエルン州でクリエイティブ産業が話題になり、更にこの分野での成功が相次いでいるのは、バイエルン州経済省が主導して発足したバイエルン・クリエイティブのような活動と関係があります。バイエルン・クリエイティブは経済界のエキスパートとクリエイティブ・シーンをつなげ、ワークショップの開催や個別コンサルティングなどを行っています。更にミュンヘン市にはカルチャー&クリエイティブ産業チームがありますし、ニュルンベルクではカルチャー&クリエイティブ産業シンポジウムが行われます。


これらの全ての活動は、バイエルン州のクリエイティブ産業がそのアイデアを実現する豊饒の地を見つけ、経済的に成功している環境において技術とデジタルへの転換の萌芽を促進することに貢献しています。