マルティンスリートのバイオテクノロジー・イノベーション創業センター25周年

1960年代、マルティンスリートは住民400人程度の小さな村でした。バイエルン州の中央に位置するかつての小村は、現在ではヨーロッパにおけるバイオテクノロジー産業の一大拠点となりました。バイオテクノロジー・イノベーション創業センター(IZB)マルティンスリートの創立25周年を記念して、将来有望なスタートアップをいくつか紹介します。

小さな村からハイテクの聖地に


バイオテクノロジー拠点としてのマルティンスリートの歴史は1993年にまで遡ります。当時、バイエルン州はマックス・プランク・研究所のすぐ近くにバイオテクノロジーのネットワーク・クラスターを設立することを決定しました。これが、バイオテクノロジー・イノベーション創業センター(IZB)の始まりでした。今日では、バイエルン州のバイオテクノロジーのさらなる強化を目的として、スタートアップ企業50社とその社員600人以上が現地で働いています。この拠点は非常に人気で、IZB振興組合は“campus at home Martinsried“というスローガンのもと、周辺企業のゲストやビジネスパートナー向けに独自にホテル運営もしています。近年成長を遂げたスタートアップを数社紹介しましょう。

 

Eisbach Bio GmbH

2019年に設立されたミュンヘン大学バイオメディカルセンターのスピンオフ企業で、遺伝的に特定される腫瘍細胞の分子組織の脆弱性を検査します。難解な分野であり、実際その通りではありますが、説明は簡単です。特別な生活環境が原因で生じる腫瘍細胞において、遺伝子の突然変異がなぜ起きるのか調べます。分子標的治療により、そのような変異を元に戻し、それぞれの患者に合わせた治療を行います。

 

Exosome Diagnostics Inc. エクソソーム・ダイアグノスティックスInc.

会社名にある“Inc.“が示唆するように、このスタートアップはドイツではなく、アメリカで設立されました。このアメリカ系スタートアップは、2010年、欧州拠点を設立するという条件で、一度に約2,000万ドルの資金調達を叶えました。欧州拠点はマルティンスリードのIZBに設けられ、この世界的企業の欧州での全共同事業がここでコーディネートされています。この企業は血液などの体液中にあるエクソソーム(訳注:Exosomeは細胞から分泌される直径50-150ナノメートルの顆粒状の物質)を分離することに取り組んでいます。分子生物学的研究によって、外科手術を行わなくとも診断を下せるようになります。


Immunic AG 株式会社イムニック 

株式会社イムニックは2016年に設立され、免疫調整効果のある経口薬を開発しています。これによって症状を抑制するだけではなく、炎症や自己免疫疾患全般を治療する抗炎症薬、抗自己免疫薬がまもなくできるようになると考えられています。

バイエルン州はバイオテクノロジー、Eヘルス、医療技術で世界屈指の拠点

バイエルン州は、バイオテクノロジーのリーダーにとどまりません。Eヘルス分野でも若くて革新的な企業を支援しています。2015年には既に、医療とITの新しいイノベーションセンター「メディカルバレー」がエアランゲン近郊に建設されたことを紹介しました。エアランゲンは今では全欧州で最も有名なメディカルテクノロジー拠点のひとつとなっています。