闇を照らすバイエルンの光工学とセンサー技術

光工学もセンサー技術も、インダストリー4.0の時代の鍵となる技術だ。革新的な研究はもとより、優良企業が集積しているという点においても、バイエルン州はこの分野で先駆的な役割を担う。

闇に明かりを灯す-これが光工学の役目だ。そのこと自体を目的としているのでなく、光工学は社会、経済、研究のあらゆる分野に浸透している。農業からテレコミュニケーションや情報処理、果てはロボットにまで光工学の技術は必要であり、バイエルン州の重要な産業のひとつである。

革新的技術は基礎研究から


生産技術、エネルギー技術、照明技術、医療技術、環境技術、プラズマ技術、情報コミュニケーション技術-これら全ての技術は、そのイノベーションを進めるために結局のところ光工学の基礎研究を必要とする。これらの分野は今、ブームだ。2014年、ドイツの生産量は金額にして294億ユーロとなるが、そのうちバイエルン州の照明技術ならびに情報コミュニケーション技術が占める割合は50%以上、また医療技術などバイエルン州のライフサイエンス分野の貢献割合は約25%もあった。

 

ドイツのネットワーク、世界のネットワーク


光工学はドイツが得意とする分野だ。その中でもバイエルン州は明らかに首席に選ばれる。関連企業450社以上の中にはFicosa、Still Optik、Osram Opto Semiconductors、Menlo Systems、Toptica Photonicsなどの企業があり、2万人以上が働く。

光工学に関わるバイエルン州の全ての企業、研究機関、ユーザーのために、中心となる専門的なコーディネート機関としてクラスター「バイエルン・フォトニクス」が2000年に発足した。現在そのメンバーは約80社・組織となっている。クラスターが重点的に取組むのはレザー技術、光学デザインと製造、計測技術とセンサー技術、更にバイオフォトニクスとライフサイエンス分野だ。バイエルン・フォトニクスはドイツのOptecNet Deutschland e.V.のメンバーにもなっている。OptecNet Deutschlandは光工学技術のための革新的ネットワークとして地域を超えた技術的なつながりを形成するためのドイツの業界団体である。

ミュンヘンで二年に一度開催されるLaser World of Photonicsもネットワークづくりのためのミーティングポイントとして欠かせない場だ。この分野では世界的に知られた展示会であり、30か国から1200社が出展、70か国以上から3万人の業界人が訪れる。

センサー技術は革新技術の連携

光工学と密接な関係を持ち、同様に鍵となっているのがセンサー技術だ。分野横断的な技術として技術革新をもたらすのがセンサー技術であり、特にインダストリー4.0やIoTにとって必要不可欠な分野である。光工学にとって、大きさ、圧力、温度、速度などの計測に関わるセンサー技術の開発が非常に重要である。

機械・設備工事、農業、自動車、家電など、いずれの産業分野も、今日ではセンサーを使わないことは考えられない。ここ10年でセンサー搭載割合は70%も上昇している。バイエルン州はセンサー技術でも貢献している。ドイツのセンサー関連企業の23%がバイエルン州にある。インフィニオン、オスラム、クノール・ブレムゼ、ヴぇバスト、シーメンス・ヘルスケア、コンティネンタル、フラウンホーファー研究所などが有名だ。しかし、有名企業だけがセンサー技術の発展に寄与しているわけではない。スタートアップ企業の活躍も忘れてはならない。例えばヴュルツブルクのiNDTacht社は音による大気汚染の計測システムを開発した。この会社は2015年にバイエルン州の創業家賞を、2016年にはドイツ創業者賞を、いずれもスタートアップのカテゴリーで受賞している。


企業、研究機関、大学の関心事を束ねるのはバイエルン・フォトニクスのほかに、2006年以来、同クラスターの運営を担っているStrategische Partnerschaft Sensorik e.V.がある。