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日本の隠れたチャンピオン: 溶接ロボット分野の世界的リーディングカンパニーの進出

OTCダイヘンヨーロッパのバイエルン州内初のショールームがオープン - 日本とバイエルンでの訪問

OTC DAIHEN EUROPE GmbH会長浦井直樹氏の招待を受けて、私はインベスト・イン・ババリア代表ヴォルフガング・ヒュプシュレ氏と共に、2016年11月よりバイエルン州内の拠点も担う同社のミュンヘンのショールームを訪れた。最新鋭のダイヘンの技術を見ることを心待ちにしながら、足を運んだ。このショールームは、第一にダイヘンの欧州に位置するパートナー企業に対する自社製品のプレゼンの場としての役割を果たしているという。ダイヘンがショールームに込める更なる想いについては、下に詳しく記していこう。

有名企業が立ち並ぶ道路A9にショールームは位置しており、お隣にはマイクロソフトといった国際的企業が構えている。ショールームに到着すると、未来を感じさせるその室内で、浦井氏による温かい歓迎を受けた。和やかなムードでの挨拶が終わると、浦井氏はダイヘンの企業情報、欧州展開、そしてダイヘンという社名の由来を説明された。

約100年前に今日のダイヘンの前身である大阪変圧器株式会社が設立された。しかしながら、同社はダイヘンという愛称(大阪の「大」と変圧器の「変」よりダイヘン)により有名であった。(日本ではよく愛称が用いられる。例として、ケンタッキーフライドチキン=「ケンキチ」、あけましておめでとう=「あけおめ」、マリエンプラッツ=「マリプラ」、カールスプラッツ=「カルプラ」等)
1985年に、現在の社名「株式会社ダイヘン」への変更が決定された。グローバルビジネスにおいて同社は、OTC (Osaka Transformer Company)という名で知られているため、Daihenという統一ブランドでの知名度を上げる事を現在目標としている。

ドイツにおけるダイヘンの企業活動は、1973年にデュッセルドルフの駐在員事務所設立から始まった。1982年には、現地法人が設立され、現在では60名を有するミュンヘンの拠点と共同で仕事にあたっている。浦井氏は我々に、1970年代、80年代にドイツへと派遣された当時のパイオニア的な同僚方について話された。当時、英語が出来るドイツ人はまだ少なかっため、仕事はドイツ語でのやり取りとなり、また生活面でも苦労も多かった。このため流暢ではないがある程度ドイツ語を理解していた。しかしながら、今日のドイツではほとんどの人間が英語を話せるという理由からドイツ語学習はもはや絶対ではなくなった。それが、浦井氏のドイツ語がまだまだ向上の余地がある理由だと、ウインクをして氏は冗談交じりに説明された。

続いて浦井氏は、興味深い事実をお話しされた。日本のアーク溶接機器市場はダイヘンが50%以上のシェアをもっておりパナソニック社と2社で市場の95%を占めている。一方で、ドイツのアーク溶接機器メーカはまだ30社ほどが存在しているという。また浦井氏は、顧客が南ドイツに集中しているという理由から、顧客のより近くにあるためにバイエルン州に事務所を構える必要性があることを強調された。

ヒュプシュレ部長は、欧州市場のために投入されているアーク溶接機が日本からの輸入ではなく、スロベニアで生産されているという浦井氏の発言に驚きを覚えた。これは、より短い納品時間の達成と、日本製品も高品質であるにもかかわらず、「メイド・イン・ドイツ」もしくは「メイド・イン・EU」を好む欧州の顧客性向に適合させたためだ。

ダイヘンの経営理念は、消費者、仕入先、従業員、社会、近隣住民など全てのステークホルダーの「同時達成な幸福」にあると言う。

貴重な情報をいただいたあと、我々は部屋を案内して頂いた。各部屋ともとても明るく、視覚的に優れた作りとなっている。ここを訪れれば、細部にまで丁寧なこだわりが行き届いていることが感じられるだろう。また、顧客が直接溶接ロボットを試すことの出来るテストルームも完備され、講習も行われるため、ダイヘンの技術を十二分に体験することが出来る。

OTCダイヘン神戸工場をバイエルン州駐日代表部が訪問


我々がミュンヘンのショールームを訪れたまさに一日前に、バイエルン州駐日代表部がダイヘンの神戸工場を訪問した。1919年にダイヘンが設立され、今日では4000名の従業員を有する世界有数の各種変圧器、各種電力用設備、アーク溶接機・ロボット・切断機・溶接自動化設備の製造企業として数えられる。神戸工場はそのアーク溶接機、ロボットの開発、製造拠点である。
バイエルン州駐日代表部のゲルティンガー代表とプロジェクト・マネージャー田山野恵氏は、溶接機事業部海外部長大槻貞夫氏より温かい歓迎を受け、ショールームと工場を案内していただいた。大槻氏自身は、メンヒェングラートバッハに構えるドイツOTCで2年間勤務されていたが、ミュンヘンをはじめバイエルン州の都市には複数回訪れたことがあるという。氏によると、多くの顧客(主にBMWの一次下請け)が南部に位置し、スロベニアの工場からのアクセスが良好であるため、ミュンヘンは拠点として有望視しているとのことである。

訪問を振り返って:


そもそもダイヘンとの初のコンタクトに至るまでには、どのような経緯があったのだろうか。ダイヘンは、インベスト・イン・ババリアの広告を、ドイツ在住の日本人コミュニティ向け雑誌やドイツニュースダイジェストで目にしたことをきっかけに我々との最初のコンタクトをとった。ダイヘンは、顧客への接近のために南ドイツにおける拠点を探している最中であった。当初よりショールームとして利用可能な、一階に位置する不動産を求めていた。そして、もう一つ重要な点は、ロボットを見てもらうために、ショールームへのアクセスの良さだった。これら条件を満たす不動産探しは困難を極めた。大規模な坪数、一階、ショールーム向き、アクセスの良さ等、それら諸条件は単なるオフィス不動産としてのニーズを満たすだけでは、ロボットショールームとしては十分ではなかったのである。しかしそれでもダイヘンは探し続けた。知名度を高める事は企業にとって、関心のあるテーマであることはもちろんだが、なぜダイヘンにとっても最終消費者に認知してもらうことが重要なのだろうか。結局のところ、産業用ロボットは平均的な一般家庭にとって、全く日常と関わりがないのではないだろうか。浦井氏からは実にユニークな答えが返ってきた!グローバルプレイヤーであり、隠れたチャンピオンでもあるダイヘンは既に100年にわたり最高品質の製品を提供し続けている。将来においても、ダイヘンのロボット製造企業としての地位は固く、国際競争においても、優位性を見出すことが出来る。しかし、残念なことに最終消費者にとってその知名度はまだ十分ではないという。このことは新規技術者獲得の際にネガティブに作用し得る。結果として、他の多くの企業同様ダイヘンも技術者不足に悩まされている。マネージャー陣は、早急にあるアイデアを打ち立てた。そのモットーとは、舞台裏から最終消費者、正確には母親の目の止まる所へ、である。なぜ母親なのだろうか。母親が、具体的に一体どのような影響を与えるというのか。マネージャー陣は、日本では母親が、息子がどこで働くべきかその最終決定権を持っていることがしばしばあると結論付けた。すなわち、息子がある2社から内定をもらった時、母親がより知名度の高い企業を選ぶよう勧めるのである。このようなことから、より多くの母親に認識してもらえるような場に赴く必要があるのである!日本で生まれたこのダイヘンの企業理念は、ヨーロッパにおいても一貫しており、ここでもその知名度を高めるよう取り組んでいる。この戦略は功を奏した。日本では、最終消費者にとってもダイヘンの知名度は高くなった。ミュンヘンでのショールーム探しは、希望する条件に合う不動産が見つかり、ここには見る者を魅了するようなフォームを持ち、そして技術への関心を引き起こす産業用機械が展示されている。こうして、溶接ロボット分野における世界的リーディングカンパニーでありながら、隠れたチャンピオンであるダイヘンは、バイエルン州の環境に上手く馴染んだ。これほどの美しさと優雅さを兼ね備えた未来技術を目の当たりにしたとき、これを否定する母親がいるだろうか。オフィス不動産でお悩みでしょうか?ぜひインベスト・イン・ババリアにお電話ください。ご希望の条件に見合うオフィスをお探しいたします!