バイエルン州におけるIT&サイバーセキュリティのトレンド

今日のようにデジタル化が進んだ時代には、毎日のように膨大な量のデータが飛び交っています。個人情報から企業データ、公的データまで様々です。年を追うごとに飛躍的に増大していくデータ量に関わらず、IT&サイバーセキュリティは益々その重要性を増しています。同時にサイバー攻撃やデータ漏洩のような事案も増大しており、重要データの保護は喫緊の課題です。

[Translate to 日本語:] Cybersecurity Trends in Bayern

ITセキュリティは、これまでもこれからも、デジタル時代における最も重要な挑戦に他なりません。特に製造業や行政では、情報転送におけるデータセキュリティと高度に複雑な暗号化が非常に重要となります。2020年はどのような傾向があったのか、そして、バイエルン州の状況はどうなっているでしょう?

 

産業界のサイバーセキュリティは特に重要

 

ニュルンベルクの専門見本市it-saはIT系の人たちにとって特に重要なプラットフォームになっており、2009年以来この分野のトレンドにしばしば挙がっています。2020年はオンライン開催となりましたが、it-sa365というプラットフォームを立ち上げ、ここではいつでも最新の専門的な情報を得たり、革新的な対談を聞いたり、あるいはネットワークづくりをすることができます。また、インベスト・イン・ババリアとセキュリティネットワーク・ミュンヘンデジタル化推進センター・バイエルンが毎年共催するインターナショナル・タウンホール・ミーティングは5回目を迎え、今年はオンライン開催となりました。フラウンホーファーAISECのアレクサンダー・ギール氏による基調講演に続けて、パネルディスカッションが行われました。テーマはインダストリーセキュリティ、参加したのはシーメンス、KUKA、IABG、ギーゼッケ&デブリエント/グローバルプラットフォーム、ドイツ機械工業連盟(VDMA)でした。

 

VDMAのコンピタンスセンター・インダストリアル・セキュリティのシュテファン・ツィンマーマン氏は産業の中でますます複雑化するプロセスをITとサイバーセキュリティ部門の最大のチャレンジだと力説しました。インダストリアル・セキュリティは既に長らく重要なテーマでした。とりわけ製造現場で進むデジタル化と、物流における新たなデジタルソリューションの浸透、さらには潜在的で壊滅的なサイバー攻撃の影響の大きさにより、セキュリティに対する要求はより高まっています。

 

セキュリティ・バイ・デザイン-システムエラーを早めに回避

 

これらのITセキュリティに関して高まる要求から、これを一つの大きな塊としてとらえ、初めからセキュリティ・バイ・デザインの原則に則ることが重要です。つまり、開発段階当初から明確なプロセスと基準をもとにしたセキュリティの視点を持つことだと、シーメンスのシュテファン・シュタング氏はタウンホール・ミーティングで説明しました。

また、フラウンホーファーAISECのアレクサンダー・ギール氏は、ネットワーク化されている製品の全体的なセキュリティを考えるには、セキュリティ・バイ・デザインはデータセキュリティとネットワークセキュリティ、データ処理プロセス、付加価値サービスまで、バリューチェーン全体で実行される必要があると強調しました。

さらに、現在進んでいるプロジェクト„Anonymization 4 Optimization“についての紹介がありました。ネットワーク化されたシステムでつながるそれぞれの事業者が、一方では製品とプロセスを最適化しつつ、同時に、データの匿名化によって如何に機密データと知的財産を保護するか、という課題に取り組んでいます。

バイエルンの企業や研究機関だけがサイバーセキュリティのトレンドに貢献しているわけではありません。バイエルン州には、このテーマに取り組んでいる多くのクラスターやネットワークがあります。

 

  • Zentrum Digitalisierung Bayern (ZD.B): バイエルン・デジタル化推進センターはバイエルン州のデジタル化に関わるあらゆる課題に取り組んでいます。ITとサイバーセキュリティのトレンドに関しては、専門のプラットフォームがあり、バイエルン州の研究機関や産業、そして技術開発に関わる人たちの橋渡し役となっています。サイバーセキュリティ関連情報を発信するポッドキャストの他に、インダストリー4.0とIoTにおけるデータ保護をテーマにしたオンラインイベント、トレンド2020も開催しました。
     
  • Sicherheitsnetzwerk München: セキュリティネットワーク・ミュンヘンには企業と研究機関が集まり、ITセキュリティの重要性について広報するだけでなく、サイバーセキュリティ分野でイノベーションとトレンドを促進しています。
     
  • IT-Sicherheitscluster in Regensburg: レーゲンスブルクITセキュリティ・クラスターはサイバーセキュリティの先端を行くマルチプライヤーです。スキルアップ教育や情報提供のイベントを開催し、また、その重要性の高まりを受けて、さらに多くのネットワークイベントが開かれています。
     

研究機関、ネットワーク、グローバルプレイヤー、スタートアップの強力でダイナミックなパートナーシップを構築するバイエルン州という立地はIT&サイバーセキュリティの来るべき挑戦という観点で見たとき、どこよりも必要な環境を整えていると言えます。また、バイエルン州は「ハイテクアジェンダ・バイエルン」という政策を発表し、サイバーセキュリティと直接関わる、そして近い将来サイバーセキュリティの革新と発展に大いに寄与することになる、AIや量子コンピューターなどの将来重要な分野にも大きな投資をしています。