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デジタルの未来: バイエルンにおけるブロックチェーン・プロジェクト

遅くとも2017年央以来暗号通貨ビットコインを巡る誇大報道が世の中を騒がせて以来、ブロックチェーンというコンセプトは誰もが口にするようになりました。その背後にある発想はすでに1990年代以来存在しており、その潜在力は支払手段をはるかに凌駕した領域に及びます。革新力が強いバイエルン州は技術を業界横断的に助成しており、既存のインフラに統合されているのは偶然の産物ではありません:多くの新興企業にとってのチャンスなのです。

ブロックチェーンというアイデアは、ブロックと名付けるデータセットを各データセットの履歴を把握しやすく保持し、操作できないかたちで連鎖させるというものです: 即ち、信ぴょう性、シーケンス、完全性を外部から変更できません。

この技術のよく知られる応用分野がビットコイン通貨です。ビットコインのブロックチェーンは全取引が保存される巨大な帳簿に匹敵するデータベースです。このデータベースにはビットコインをどれだけ誰が、いつ、いかにして譲渡したかが記録されます。これらの取引のそれぞれ一つが一つのブロックを成します。これらのブロック毎にハッシュコード(ハッシュ関数で計算される文字列)が付記されます。連続するブロックのハッシュコードどうしは連鎖しているので、操作、ビットコインの場合はコインの盗難や濫用はできません。

暗号通貨が最初に公衆による認識においてブロックチェーン応用のための先導的事例に留まることができるとしても、世界中では多くの他の業界がこの技術の応用準備を進めています。ブロックチェーン革命は当面、国際貿易、観光、個人情報保護の課題、ヘルスケアや保険システム、ロジスティクス分野、航空会社、自動車メーカー、エネルギー産業その他成長部門においてはすでに普及し始めました。
 

ブロックチェーン分野においてバイエルン州は先導的研究拠点として確立しました


ここから新興のデジタル企業のためにいくつものチャンスが生まれています:ブロックチェーン・プロジェクトの構築のために、多くのイニシアチブや成熟した工業及びデジタル基盤を以て有望な潜在力があるとバイエルン州は太鼓判を押します。正しく業界横断的イノベーションにより、ブロックチェーンの相乗効果を活用できます。例えば、研究分野ではすでに長年バイエルン州が業界横断的に攻勢を継続してきました。

フラウンホーファー ブロックチェーン ラボ (アウグスブルク/バイロイト)
フラウンホーファー ブロックチェーンラボはブロックチェーン・ソリューションの着想、開発、評価のためバイロイト大学とアウグスブルク大学と協力しています。このコラボを通してプロセスリスクやプロセスコスト削減及びオートメーションの可能性などの業界横断的目標を掘り下げています。

TUMブロックチェーンリサーチ・クラスター(ミュンヘン)
ミュンヘン工科大学(TUM)のブロックチェーンリサーチ・クラスターでは大学のいくつもの学科が学際的に参加して、ブロックチェーン関連の可能な限り多くの技術的、経済的、法的、社会的課題について研究が進んでいます。

ブロックチェーンの具体的応用開発にはブロックチェーン保険業界イニシアチブB3iが注力しています。ミュンヘンのヴェルク1に本拠があるB3iは保険業界でブロックチェーン技術を応用することに注力しています。そのフォーカスはとりわけ(再)保険契約で応用すべきブロックチェーン・プロトタイプの開発に向けられています。

バイエルン州の業界ではブロックチェーン・プロジェクトのブーム


バイエルン州でブロックチェーンの潜在力にますます取り組んでいるのは研究だけではありません。バイエルン州の企業もこの技術をすでに利用しているか導入を計画中です。

例えばAudiは、IBMが開発したブロックチェーン・プラットフォームBataviaを車両販売に応用しています。Siemensもブロックチェーンを使って取引資金繰り業務をデジタル化しました – ここで特に対象となっているのは国外取引における金融機関のてん補です。 さらにエネルギー経済においてマイクログリッド制御ソリューションによって過剰電力をローカルのグリッドに供給し、売上を直接需要家と決済しています。 さらに、好例として自動車メーカーBMWが挙げられ、ここでは国際的なモビリティー・オープン・ブロックチェーン・イニシアチブ(Mobi)及びブロックチェーン化モビリティー・ハッカトンに出資し、今後に応えるブロックチェーン・モビリティーソリューションを開発して市場販売を目指しています。 これらのプロジェクトやコラボを見ると、自由州ではブロックチェーン分野にはすでに専門知識が存在し、バイエルン州の業界がこの技術に積極的であることがわかります。

これらのバイエルン州における多くのイニシアチブが実を結ぶには政治の力も必要なわけで、政界では現在このテーマが議事日程の優先事項に挙がっています:デジタル権利の定義及びネットワーク中立性の維持、AIや起業助成及び州全体をカバーするネットワーク拡大といったテーマ以外にもバイエルン州政府はブロックチェーン議題にも注力しています。このためバイエルン州全体を覆いつくすブロックチェーン戦略の策定を計画中です。この他にも新技術の必要なインフラ仲介をバイエルン州の教育計画にどこまで埋め込むことが可能か、埋め込むべきかも検討課題となっています。

こうした計画に基づいてバイエルン州のだけではなく、ドイツ国内や世界との対比の中で特にバイエルン州の全企業及び新興企業のデジタル未来のための基盤を確立させる必要があります。バイエルン州がこの点で順調に進展していることは最新のスイス企業BlockStateによる研究が示しています:この研究は合計28件のブロックチェーン起業を自由州において特定しており、これはドイツ国内第2位です。