5分間インタビュー Holo-Light社 スザンネ・ハスピンガーCOO

オーストリアで設立されたスタートアップ Holo-Light(ホロライト)社は先ごろ、400万ユーロの融資を受けました。同社は拡張現実(AR)を利用したサービスを特に産業界向けに提供しており、自動車や機械産業では既に重要な顧客を獲得しています。目標は新たな融資を得て海外進出を果たすことです。ホロライト社を夫君のフローリアン氏と起業したスザンネ・ハスピンガーCOOにインタビューしました。

Susanne Haspinger

ハスピンガーさんは最近デジタル化とARの可能性をテーマにした本を出版されました。この技術によって新たにどのような事業分野が開拓されるのでしょうか?

 


おそらくあらゆる事業分野がAR技術を通して継続的に影響を受けることになるでしょう。私たちはARの産業応用に重点を置いていますが、例えばそれを通じて製造ラインはより計画的に、試作モデルはより速くかつ経済的にできるようになります。また製品の質のコントロールや技術的な訓練についても、一段階高いレベルで効率的になるはずです。AR技術は人とテクノロジーの間にある障壁を取り除き、作業工程を協調的なものにします。エンジニアや工業デザイナーはどこに居るかに関わらず、ARワークスペースを用いて自身のアイディアを可視化し、加工し、発表することができるのです。

 

ホロライト社のAR技術とは一体どのようなもので、その技術について一般の人はどんな風にイメージしたらいいのでしょう?

 

私たちのARエンジニアリングスペース(通称ARES)を使えばエンジニアは3DのCADデータを可視化することができます。それを操作して、共同で利用することによって、開発サイクルを短縮し、切れ目のない製品デザインを実現することができます。それに加え私たちは「AR・インタラクティブ・ストリーミング(通称ISAR)」と呼ばれる技術を用いることで、巨大な3DのCADデータを実物大で再現する方法も開発しました。これを使えば、例えば自動車や、あるいはもっと大きな生産設備といったものまで可視化することができます。私たちのソフトウェアパッケージは「スタイラスXR」と呼ばれる高精度AR入力デバイスに支えられており、これによりエンジニアはAR環境でもミリメートル単位で正確な作業、測定、動作を実現することができるのです。

御社の顧客はどのような企業で、また、どのような会社が御社の技術に興味を持っていますか? 

 

私たちのお客様にはBMW、フェスト、BASF、マグナ、ボッシュといった自動車、機械および化学分野の有名企業が名を連ねています。しかし、より速く安価に、そして環境に優しい生産を行うことを目指す中小企業も、私たちの技術に高い関心を持っています。また最近では航空宇宙や土木建築、エネルギー、海運といった産業でも利用が拡大しています。

 

 

ミュンヘン市も御社の顧客だと聞きました。ミュンヘン市とどのようなプロジェクトを行ったのですか?

 

デジタル化された3Dデータに基づき、ミュンヘン市の新たな市区であるフライハムにおける将来的な開発計画を可視化し、仮想空間でモデル化しました。都市の写実的な3Dモデルを部屋の大きさと同じスケールで具現化した後、そこに将来的な開発構想を付け加えました。私たちは会議室を出て実際にフライハムの街へも行きました。「ワールドスケールモード」というものを使用すると実世界をその場所で、将来的な構想に基づく3Dデータにより補完することができるのです。こうしたものを目にすると、建設を計画していた建物の実際の寸法に対する印象を得ることができ、「もしこうだったら」と様々なシナリオを想定することができます。例えば、もし建物が一階分高く建てられたとしたら、街全体はどのように見えるだろうか、というような場合です。このプロジェクトで私たちは2018年にミュンヘン市のイノベーションコンテストで勝利を収めることができました。

 


ホロライト社は工業分野で多くの取引がありますが、バイエルン州を拠点に選んだ理由の一つにはそのような点もありましたか?

 

はい、私たちのような技術的なサービスを提供する若い企業にとっては、モノづくり産業とコンタクトを取れるということ、そして同時にサービスに対するフィードバックを得ることも重要なことです。私たちはそうした企業を素通りすることなく、共に成長していきたいと思ったのです。そういう点において、バイエルン州はとても大きなメリットを提供してくれます。

 

ホロライト社は様々なスタートアップ・アクセラレータープログラムにも参加したと聞きました。具体的にはどのプログラムに参加されましたか?またそこからどのようなメリットが得られたのでしょうか?

 

私たちが企業家としての足場を固める上で大いに役立ったプログラムはプラグ&プレイ・スタートアップ・アウトバーン、それからテック・ファウンダーズです。特にメンタリングやワークスペース、顧客ネットワークへのコンタクトといった支援が役に立ちました。それに加えて私たちはプラグ&プレイ・ジャパンを通じて日本でも最初のお客様を得ることができ、国際展開を進めることもできました。

 

御社のような新興企業、スタートアップは職場の雰囲気が特別だと言われますが、ハスピンガーさんにとって新しい働き方、とはどのようなものでしょうか?また新しい社員を雇用して、働き続けてもらうためにどのようなことをしていますか?

 

私たちの会社は、それぞれの従業員の状況に非常に配慮しています。フレキシブルな勤務体制、リモートワークはもちろん、開発、マネージメント、販売、マーケティングの各部門が同じ目線に立ってオープンな意見交換をするということです。端的にいえば、私たちは魅力的な職場を提供し、素晴らしいワンチームとして、職場環境を快適なものにするように努めています。また、様々なチームイベントも楽しめるようにしています。

 

ホロライト社は今や急成長をしており、最近は非常に力強い金融支援も手にしました。これらの投資家とのコンタクトはどのようにして得られたのでしょうか?また会社の成長を支えるものとは何ですか?

 

マッチング・シリーズAといった国際的な展示会やフォーラムを通じて投資家の方々と知り合いました。私たちは非常に充実した技術的基盤を持っておりますので、今はそれを更に拡大していく方向に進んでいます。投資家の方々の支援により、私どものソフトウェアを更に早くお客様のもとに届け、そしてアップデートしていくための必要な支援体制とチャネルを充実させていくことができると考えています。

 

ハスピンガーさんにとって「典型的なバイエルン」とは何でしょう?ホロライト社のAR技術を通して何か見えてくるものがありますか?

 

BMWが最初のお客様の一社でしたので、私たちはARエンジニアリングスペースを通してほぼ毎日のように「典型的なバイエルン」に触れています。それ以外のことで言えば、朝食で食べるバイエルン名物のホワイトソーセージが大好きです。もちろんこれはARではなくて現実世界ですね。

Holo-Light

バイエルン州に進出した年:

2016, München

バイエルン州に設立された部署:

Niederlassung

業界:

Augmented & Mixed Reality

本社:

Innsbruck, Österreich

詳細はこちらから:

holo-light.com