5 minutes with ... 2021年6月24日

5分間インタビュー  KDDI Deutschland GmbH 宮崎 浩彰 Managing Director

バイエルン州は、世界で最も重要な情報通信技術拠点の一つです。それはなぜでしょうか?それはICTが、自動車産業、医療技術、金融サービスなど多くの産業分野に必要だからです。バイエルン州はこれらの分野で特に強みを持っており、国内外のICT企業がバイエルン州を経済拠点として選んでいます。また、450社を超える日本企業が、顧客との距離が近いことを主な理由として、すでにバイエルン州に進出しています。そのため、日本のICT企業であるKDDI株式会社が、インベスト・イン・ババリアの支援を受けて、バイエルン州に駐在員事務所を開設したことは驚くべきことではありません。進出の経緯と、コロナ禍の中でどのように拠点設立を実現したのか、KDDIドイツ社の宮崎浩彰マネージングディレクターに伺いました。

 

宮崎様、コロナが広がる中でミュンヘンにオフィスを開設することは、ドイツと日本での様々な規制を考えると、非常に大きな挑戦だったと思います。どのようにしてそれを実現したのでしょうか?

 

ミュンヘン出店は世界戦略上、今後の欧州ビジネスに於いて、数年前からの悲願でしたので、物件見つかり次第ということで準備をしていました。コロナ禍がこれほど長期化し、生活や働き方が変わることは、それ以前おそらく誰も想定し得なかったことと思います。一方、コロナ禍により浸透したリモートワークのITテクノロジーのおかげで、弊社もミュンヘンをはじめ南ドイツのお客様と直接ご相談をさせて頂く機会がもてるようになったことが、ミュンヘン支店を開設する後押しになりました。またオフィス開設にあたり必要となる事前調査、営業登録手続き、オフィス選定、従業員の採用など、いずれもリモートのITテクノロジーを利用して実施できたことが大きいと思います。

 

KDDI Deutschland GmbHは、デュッセルドルフとフランクフルトに拠点があります。なぜミュンヘンに新しい事務所が必要だったのでしょうか?

 

ミュンヘンはデュッセルドルフに次いで多くの日系企業様が活動をされています。他方、日系のシステムインテグレーターがまだあまり多く存在してはおりません。
お客様からも、物理的に近くにいて、いつでもすぐに駆けつけてサポートをしてほしいというご要望を頂いており、それにお応えするための体制をつくりました。またミュンヘンにはドイツ最大手企業や多くのIT企業が集積し、スタートアップも盛んなことから、ローカル企業とコラボレーションし、最近増えているお客様のDXのニーズにお応えしていきたいと考えています。

 

コロナ危機は、経済の多くの分野で莫大なビジネス上の損失をもたらしました。一般的にIT業界はどのような状況でしたか?コロナの危機を乗り越えるために、どのような戦略をとったのでしょうか。

 

一般的には新しい投資やプロジェクトの延伸を検討されるお客様が多く、IT業界も厳しい状況です。一方、ITをつかった働き方・業務改革を抜本から見直したいというご相談が増えており、弊社としては従来のITサポートに加え、今後お客様の本業に貢献できるDXの取り組みを推進して参りたいと考えております。

 

日本のお客様とヨーロッパのお客様とはどういったところが違いますか?日本のお客様に対して、特に気をつけていることは何ですか?

 

お客様によって体制や文化が様々ですので、お客様企業の国籍にかかわらず、常に言語・企業文化・コミュニケーションの仕方・時差などに配慮し、最大限お客様を尊重するように心がけております。また加えて、日本のお客様に対しては、日本本社の基準でのチェック項目などがございますので、それに準拠するようにしております。

 

御社の強みは何ですか?競合他社との差別化はどのようにして図っていますか?

 

オフィスの引越しや、インターネット、パソコン、サーバー、セキュリティ、クラウド、業務自動化ロボット、IoTなど、幅広いサービスを取り扱っていることと、日本語とドイツ語での営業・技術対応を当地ドイツで30年以上にわたり継続している実績が強みと考えております。またKDDIグループとして、ドイツ、イギリス、フランスには自社データセンターや、世界中にKDDIグループの拠点がございますので、お客様の海外拠点との連携も可能でございます。

 

次の目標は何ですか?どのようなことを次に達成したいとお考えですか?

 

2021年度はミュンヘンの日系企業様と、まずはオンラインのワークショップ開催なども含め、色々なかたちでお話ができたらと考えております。2021年上期に10件のDX案件でお客様に貢献することを目標にしております。その次に、東欧エリアのお客様のサポートも強化したいと考えております。

 

オフィス開設にあたってインベスト・イン・ババリアがサポートさせていただきましたが、それについてご紹介いただけますか。

 

インベスト・イン・ババリア様には、支店開設の相談に乗って頂くところから、オフィスが決まるまでサポート頂き、大変お世話になり、ありがとうございました。実は現在のオフィスは、コロナ禍で現地視察が難しかったため、インベスト・イン・ババリア様のご提案でオンライン視察をして決まったのですが、おかげさまで私達も気に入ったオフィスに決めることができました。

 

最後に、これまでのバイエルンでの生活で最も気に入っていることをお聞きしたいと思います。バイエルンでお勧めの観光スポットがありましたら教えてください。

 

ミュンヘンは街中にも緑が多く景観がきれいなところが気に入っています。先日、イザール川沿いの「英国庭園」の波乗りスポットEisbachwelleを訪れた際、(4月にも関わらず)雪が舞うなか、寒さをものともせずサーフィンに明け暮れる猛者たちに圧倒されました。コロナが明けたら、世界的にも有名なオクトーバーフェスト、クリスマスマーケットなどの季節の風物や、自動車博物館、長い歴史を感じられる城・宮殿など、行ってみたいと思います。

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