#bytevaria 2018年10月31日

5分インタビュー… フランク・ヘアツォークさん、Concept Laser創業者・CEO

高フランケンの企業Concept Laserは金属利用の3D印刷のパイオニアで、この業界では世界市場のリーダーです。すなわち、2000年に設立された同社はインダストリー4.0戦略に基幹的貢献を果たしています。2016年12月以来同社は米国の世界企業ゼネラルエレクトリック(GE)がConcept Laserの過半数株を保有します。2018年秋、リヒテンフェルズ本拠地に約1億ユーロにも上る3Dキャンパスの新設起工式が行われました。フランク・ヘアツォークさんと同社の急成長について話しました。

Concept Laserは設立以来リヒテンフェルズに本拠があり、現在はGE Additive社と協力して本拠を拡張しています。高フランケン地方を最適な拠点に選んだ理由は何ですか?
以前は、リヒテンフェルズという高フランクケンの田舎になぜ技術と当社が成立しえたかとよく訊かれたものです。その含意はつまり、こんな所に高技術企業の設立や成長の前提がそもそも存在しえたのかという疑問でした。実際にはそうではなかったことを印象的な実績によって証明したわけで、GEとの新規提携を持ってさらに大規模に社史を推進しているところです。
それでも疑問にお答えするため、言いますと、技術やこうした企業が成立しうる前提は必要です。その根拠はさまざまあります。まず、アイデアを技術ソリューションに応用できる頭脳を持つ人材が必要です。人材養成の質、継続人材養成、高学歴とりわけ、工学分野の人材調達は以前も今も、リヒテンフェルズに生まれたことのための前提であり続けています。こうして、よく私が引用する高等教育機関が多い高フランケンやフランケン全域という立地に至るわけです。リヒテンフェルズ自体には高等教育機関は全くありませんが、車で30分も走らずに一部の高等教育機関に行けます。このため特に地元での、さらには地域でも、技術系を中心に基幹的教育機関との協業が可能です。
さらにもう一つ重要な側面は、高速道路やICE特急で全方位に容易に行ける抜群のインフラです。
他の要因と同じく重要な点は、政党政治の境界線を越えた卓越した協力的政治が自社の新工場コンセプト「3Dキャンパス」の認可を迅速に取得できることにつながりました。こうしたことは大都市ではまず無理に思えます。政治家に近いことで案件を容易かつ迅速に実現しやすいので、ここの立地は確かに有利です。

3D印刷はもともとプラスチック加工専用でしたが、これを御社は金属に広げました。積層造形と金属という材質に注目した理由は何ですか?
金属に注目したわけは少なくとも私の少年時代に遡ります。私はバンベルクで生まれ育ち、ここの田舎者といったところでしょう。当時はいろいろなイベントに行きにくく、移動には小型エンジン付き二輪車モファしかありませんでした。当時はモファが今より普及していたし、私の世代の者ならだれでもモファが遅く、見た目は退屈だったことを知っています。そこで私たち少年らは当時自分で手を掛け、この移動装置を速く、スタイルも「ホット」にし、じきに当時の制限速度に達しました(しかも若干それを超過もできました!)。
当時私は自分の職業への情熱からエアランゲンのシーメンス医療部門で精密機械のエンジニア教育を受け始め、次に大学入学資格(アビ)を取得し、コブルク大学へ進学して機械工学エンジニアになるという夢を追いかけました。
学生の頃、バイトで学費を稼ぎ、それが元でリヒテンフェルズにおいて積層技術の応用分野では業界のパイオニアに数え上げられる一企業設立にまで至ったしだいです。当時バイトを始める前、起業家本人から企業見学に招待され、その機会に自分にとって初めてステレオリソグラフィー技術というのを見ました。この技術ではUVレーザーを使用して液状樹脂を層状に硬化していくと、同時はとても脆い試作やモックアップ、あるいは鋳型の原型が出来上がりました。それを見た私の自然な反応はこうした技術を金属に応用するとよいという考えでした。
こうして「私史」が始まったわけです …

3D印刷は航空宇宙業界から自動車業界、さらに医療技術へと業界横断的に応用されています。3D印刷には業界横断的イノベーションという観点からはどんな潜在力があると思いますか? そこでは例えば人工知能等の新技術は機能しますか?
3D印刷が業界横断的技術であると主張させていただきたく思います。
3D印刷では他の加工技術にはできないプロパティを実現できるからです。層状構築によって他のプロセスでは不可能な構造を作ることができます。現在の自動車業界や航空業界におけるCO2議論を採り上げるだけでも、全業界でますます重要度が増す軽量化をこの技術で実現できるのです。ロケット推力部の場合は1kg軽量化できると運用企業は初期投資を20000ユーロまで節約できます。
3D印刷によれば微細構造を作成したり、特に部品の長期耐久性を可能にしますが、これは従来の方法では達成できませんでした。このような特質は医療技術にも航空宇宙業界にも有用です。
ここではまだ他にも多くの事例を挙げることができ、例えば、オートメーション業界の場合、量産が主題であり、質量をできる限り動かさない効率性が重要です。3D印刷は特徴が豊富にあるので、可能な全業界の今後の生産のために重要な影響を及ぼします。
こうした関連において人工知能は私の見る限り卓越した機能を果たしていると思います。製品の着想から完成品までのプロセス連鎖全体に複雑なプロセスが連続します。テクノロジーを広範囲に応用するには人工知能による支援が必要であり、これがないとテクノロジーは専門家のものに留まります。
このテクノロジーの破壊的特質はとりわけ多様な業界を横断的に軽量化連合、素材の連合を生んでおり、今目前でこれは起きています。

起業当時からConcept Laserは世界に販売先を持つ中堅企業にたちまちのうちに成長しました。急成長を維持するためにConcept Laserを吸収できそうな適切な提携先をお探しでした。GEとの提携に至る経緯は何ですか? バイエルン州とマサチューセッツ州の異文化交流はうまくいっていますか?
この点について正直言いますと、後に提携先を取り込むために企業を構築しようという計画は持っていませんでした。弊社自体を中堅企業の旧来的一例くらいにとらえていたし、地域定着型で、従業員と一体に頑張り、中長期的視野で有能な経営陣を作りあげ、企業の将来にわたる確固たる基盤を作ることを目指していました。先端製品の開発や極めて高い顧客満足は過去も今も私たちの目指すところです。
こうして長年市場平均値を上回る成長を遂げ、部分的には売上高や社員数の倍増も経験してきました。特に3D金属印刷が長期的に平均を上回る成長率を達成すると予測していたすべての主要経営コンサルティング会社の予測を認識していました。
この認識に基づいて弊社の状況について専門家と一時期、一年以上に渡り検討していた時期があり、その結果、この成長は自力では無理であるとの結論を得ました。さらに、市場動態を見るとすでに世界的に確立している提携先が必要であることがわかりました。
M&A市場でConcept Laserが連続成長のために提携先を求むというニュースリリースを出したとき、一部は継続討議を希望する大企業48社から積極的な反応を得ました。この社数を最初は8社に、次に4社に絞り込み、最終的にGEに決まったのです。
この提携先を探す過程では状況からいって優位に立つことができた点は当然とても推力になったし、高技術を提供しているうえ、会社の利益率がとても高かったからです。
しかし意志の決定要因は中堅として継続するのか会社とテクノロジーの世界展開のための提携先を求めるかの選択でした。こうした意思決定はタイミングが重要です。
GEは背景が他の候補者とは雲泥の差でした。弊社をGEとともに今後の旅に出るよう納得させたことは明らかに、新たな提携先がテクノロジーにとても興味を示していたことで、これが大きな共通のインターフェースになるわけです。正しくほぼ十年先回りして航空業界で自社製部品の製造技術に乗り出しました。さらに弊社を納得させたことは、3D金属印刷とともに、特に弊社とともに「運命を共にしよう」という明確な意思でしたが、これすなわち、テクノロジーと自社のグローバルインフラへの転換こそ弊社を確信させたのです。
文化の点に戻ると、提携開始から二年以上経過した現在、文化は全く異なり、この旅をわくわくさせる要因です。何かがとても優れてうまくいくと、米国の提携先は自発的に行動し、興奮すると外向的になりますが、反面、フランケン人は控えめに留まろうとし、あまり輝きを表に出したがりません。こうした気質を両立させるのはわくわくする作業であり、ここで新たな文化を生み出そうという、大いなる意志を両者とも持っていることがわかっています。両者の文化に共通な点は、グループトップに至るまで弊社のテクノロジーに対する想像を絶するほどの興奮と確信です。

Concept LaserはGE Additiveと1億ユーロを共同出資してリヒテンフェルズ本拠に投資しています。新3Dキャンパスは今後社員500名の職場を生み、R&Dや生産、サービス、ロジスティクス部門をひとつ屋根の下に統括する予定ですね。この際異なる部門の知的ネットワーキングにはどのような意義がありますか? インダストリー4.0のための自社製造ライン設置はうまくいっていますか?
ここではまず建物からご説明させてください。ここでは約570枚のドアを管理する必要があり、しかも各ドアが異なるアクセス権限を持っており、全館のエネルギー管理から社員食堂インフラの調整まで、デジタルソリューションなしでは今日こんなこと想像できません。ベンチマークフロアでは客先プロジェクトを実施し、部品を3D金属印刷で製造し、自社独自のPREDIXデータプラットフォームの上に他のGE Additive世界拠点とネットワーキングしています。こうして設備の操業度や動作状態をリアルタイムで解析でき、対応して効率的に運用し、動作態様を予測できるようになっています。
今度はこうしたネットワーキングの効用を客先にまで広げる予定で、そのために客先の3D金属印刷の動作解析や対応して保守周期を延長していきます。サービスが必要になるのは機械設備のサービスニーズが発生したときのみにし、これこそ私の見方では「純然たる」インダストリー4.0であると思います。
生産部門でも比較的広範な製品ファミリーを同時に市場ベータをはるかに超す成長事業において管理する必要があります。すなわち、調達から初期組立、完成組立、コミッショニングを完璧に同期するため、高性能なマテリアルフローシステムを実装する必要があります。一方では、生産工程から来る出力データを取得して、設備機器の組立やコミッショニングをさらに効率よく構成し、社員を照準を絞って投入し、こうすることで、リードタイムを短くし、高品質な製品を確実にすることができます。
では弊社の製品について話を戻させていただきます。この市場では今後、高性能3D金属印刷に特化したのでは成功できません。印刷以前にいくつか大切なことが「実際に生じる」のが定石です。部品はほぼ空運転でプロセスでの動作について解析する必要があります。成果物としての部品の製造工程や動作は全く複雑であり、これを当面は相応の経験を持つ機械オペレータが管理しています。このテクノロジーを今後量産に投入するなら、オートメーションが必要になり、このため今後の機械オペレータはデータ作成や準備におけるいくつかの手順が省けるだけではなく、機械の操作面でも手間が減るでしょう。シミュレーションソフトやデータ準備ソフトウェア、プロセス監視ソフトはこのテクノロジーを日常生産工程で継続的に定着していくうえで有用です。
一貫したデータ連鎖は今後はこれら全てのことにおいて卓越した位置を占めることになります。

Concept Laserは若手有能者の人材養成分野ではConcept Academyに取り組んでいます。特にご自身も通われていたコブルク工科大学と協力して併行要請コースの担体でいらっしゃいますね。Concept Academyでは御社は何を期待されていますか?
Concept Academyは本質的には、私の昔の機械工学同窓との経験に基づいており、当時は皆で、実習で通っていた事業所での作業を生かせないという悩みを共通して持っていました。私自身、通学中にイギリス中央部での国外学期奨学金を得て、現地で工業ロボットを生産ラインに配置する計画を行い、そのために溶接構成から回転テーブル全体までの製造を任されました。それを通して私が全責任を負っていた2つの小規模プロジェクトを客先に実装して立ち上げることさえ行うことができ、それがいかに自分のやる気を促し、ソリューションを立案してしかも実際に応用することでいかに誇りを持てるようになるかを確信しました。
この点は本質的に当Academyの精神です。このアカデミーは若手のこれから出発しようとする研究学生ばかりではなく他の人にも、ソリューションを生み出す課題を与える現実に即した任務を課すことになっています。目的は課題として「現実的な」問題提起をし、さらに、優れるソリューションを実地に応用することでもあります。この目的は適切な経営風土があると課題と同時に企業との一体感を高めます。
このアカデミープログラムから発してとりわけ最強の成長時期に利益を上げ、さらに自社のアカデミーから工学系の後継者も採用することができました。若手にとってはConcept Laserの正社員になることを決心すれば何に没頭できるかを身近に把握していたので、最適な効果がありましたが、当然のことながら会社にとってもよい結果になりました。

ビジネスだけではなくプライベートにも高フランケンとは深く結びついておられますね。この地方のどこを特にお好きですか?
基本的にこの地元、ここの景観が特に実に美しいです。ここには自然が豊富で、様々な屋外活動ができるし、基本的に家の戸を開ければそこが自然といった感じです。地元固有の物事やイベントについてお尋ねなら当然ここにはきわめてたくさんの選択肢があります。シュタフェルベルクは私がとても気に入っている場所で、ランニングしてもワンダリングしても、さらに家族のためにもよいと思っています。マイン川渓谷でのカヌーやカヤック下りは素晴らしい自然体験ですし、高フランケンについて語るとき、ここのビール文化について触れなければとんでもない間違いになるでしょう。ここには多くのビールブランドを豊富に産出している小規模な醸造所が多くあります。
さらに、とりわけ故郷と結びつき着実で極めてユッピーからほど遠い地元民のことを忘れてはならず、高フランケンはとても生きがいのある場所です。
インターネットと適切な交通インフラがあるので今日世界のホットな場所にリアルタイムでアクセスできるし、このことは田舎の空間にのみ依存しないために他面では極めて重要なことです。
 

今日の田舎は社会がますますデジタル化するに伴い、25年前の田舎とは全く似ても似つかなくなりました。
バイエルン州は伝統を現代の社会進化と共に他に類を見ない魅力と結合し、しかも時代の先端に立っています。
 

ヘアツォークさん、この深いインタビューどうもありがとうございました。

 

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