Japan 2016年6月03日

日本の「オクトーバーフェスト」シーズン 5月から開幕 ~バイエルン州のビール純粋令500年を祝う~

日本では秋まで待たなくても、ほぼ年間を通じて「オクトーバーフェスト」が楽しめる。「オクトーバーフェスト」への日本人の関心の高さは留まるところを知らない。

5月20日にスタートした「日比谷オクトーバーフェスト」でも、そのことを感じることができた。定番となっている『乾杯の歌(Einprosit)』から『アヒルのダンス(Ententanz)』はもちろん『Smoke on the Water』まで、ミュンヘン・オクトーバーフェストではHacker-Pschorrのテントで演奏しているバンド“Die Kirchdorfer (ディー・キルヒドルファー)”が日比谷会場を本場さながらに盛り上げた。

「日比谷オクトーバーフェスト」のようなバイエルン流ビール祭りは日本でますます流行している。日本で開催される「オクトーバーフェスト」は年を追うごとに数が増えるだけでなく、開催地も広がっている。2015年に東京で16回、日本全国では59回もの「オクトーバーフェスト」が開催された。沖縄から広島、大阪、仙台、札幌まで、今や大きな町ではどこでもこのようなビール祭りが開催されている。

しかし、これは驚くようなことではない。木のベンチとテーブルが置かれたドイツのビアガーデンさながらの場所で、白ソーセージ、ザワークラウト、レバーケーゼなどのバイエルン伝統料理を食べ、ライブ音楽があり、様々なビールが飲めるのは、オフィスワークとの心地よいコントラストだ。

ここではミュンヘンの大きなビール醸造所のビール以外に、地方メーカーのビールも楽しめる。例えば、バイエルン州のシュナイダー・ヴァイス、エルディンガー、アイインガー、ヴェルテンベルガー・クロースタービーア、プランク、シュパルター、ケーニヒ・ルートヴィヒ、バンベルガー・シュレンケーラーなどがあり、ドイツの他の州からのビールもある。このように多様な銘柄のビールが揃うのが日本のオクトーバーフェストの特徴だろう。

バイエルン州駐日代表部(東京)は日本のオクトーバーフェストの後援や監修を依頼されることが多く、オープニングにもしばしば招待される。オープニングには本場ミュンヘンでやるようなビールの樽を開けるセレモニーはないものの、代わりに短いスピーチと最初の乾杯の発声をすることが多い。今年は1516年から続く「バイエルンのビール純粋令」500年周年であり、より多くの日本人にバイエルンのビール文化を知ってもらう絶好の機会となるだろう。