Accelerator 2018年4月10日

ミュンヘンはドイツのFintechとInsurtechスタートアップ企業のトップ立地

ドイツのクレジット研究機関comdirect Bank AGが出した最新ランキングによると、バイエルン州の州都ミュンヘンはベルリンに次ぐ第2位で、3位にはフランクフルトが選ばれました。レポートでは、スタートアップ企業の所在地、新規創業件数、投資金額、ベンチャーキャピタルや外部投資家の動向といった指標でドイツ各都市を比較しています。それによると、ミュンヘンは全ての指標において平均より良い結果を示しています。

ドイツのクレジット研究機関comdirect Bank AGが出した最新ランキングによると、バイエルン州の州都ミュンヘンはベルリンに次ぐ第2位で、3位にはフランクフルトが選ばれました。レポートでは、スタートアップ企業の所在地、新規創業件数、投資金額、ベンチャーキャピタルや外部投資家の動向といった指標でドイツ各都市を比較しています。それによると、ミュンヘンは全ての指標において平均より良い結果を示しています。

詳細を見れば、ミュンヘンにFintechとInsurtechのスタートアップ企業が特に多く集積していることは明らかです。この分野のスタートアップは84社もあり、数の上でミュンヘンはドイツ第2の都市です。また、Fintechスタートアップに対するベンチャーキャピタルの投資金額でも上位3に入ります。2016年の初めから2017年の秋までの調査機関において、フランクフルト、デュッセルドルフやケルン、エッセンの投資金額を合算した以上の資金1億5900万ユーロを提供しています。

全ての指標でトップ3に入るミュンヘン

 

若い起業家の成長にとって重要な、ベンチャーキャピタルなどによる資金調達の環境についても、ミュンヘンは第2位になっています。調査機関中に32の資金提供機関が活動しており、これはフランクフルトとハンブルクを合わせた数に匹敵します。ミュンヘンは全ての指標でトップ3までに属しており、これはFintechおよびInsurtechスタートアップ企業にとって、ミュンヘンが非常に多様な可能性を提供するハブ地域となっていることを示すものです。

Quelle: Comdirect Bank AG

【図】Fintechシティとしてのミュンヘン
出展: comdirect Bank AG

このような様々な要因により、多くの国際的なスタートアップがミュンヘンで創業しています。ミュンヘンのスタートアップのひとつ、固定資産の管理を半自動で可能にするアプリを開発したScalable Capitalはベンチャーキャピタルから4100万ユーロの資金を調達しました。これはドイツスタートアップのこのセグメントにおいて、2017年中で2番目に大きな金額です。既存企業への融資から見てもミュンヘンは条件の良い場所ですが、スタートアップ企業にとってもこのイザール川沿いの州都が魅力的なのは、23社のFintech系スタートアップ企業が創業してランキングのトップにあることでも明らかです。

 

FintechとInsurtechの革新的なグローバルプレイヤーはミュンヘンで創業


ランキングで他を引き離して好結果を得た理由は明白です。ヒポフェラインスバンクやアリアンツ保険、ミュンヘン再保険など、伝統的な金融及び保険業界と深く結びつくと同時に、スタートアップ企業が継続的に成長するための理想的な環境がミュンヘンにはあります。デジタル産業分野で必ず成功するだろうと目されるような新規起業者対して、ミュンヘンではオフィススペースの補助を行っています。オストバーンホーフ(東駅)からほど近いところにあるWERK1は低賃料のオフィスと充実した設備を備えたインキュベーション施設で、かつ他のスタートアップ企業や専門家、パートナー企業とのネットワークづくりにも適した環境を整えています。現在ではおよそ1億5千ユーロの事業価値を持つとされるScalable Capitalも、かつてはこのWERK1からスタートしました。
同様にWERK1に居を構えるのは、Insutrech分野のスタートアップに特化した支援機関、W1Forward InsurTech Accelaratorです。この支援機関の選考で選ばれた若い企業には、事業スペースを無料で借りられる他、経験のあるメンターがついて、更に産業界に影響力のある重要な人物らとコンタクトできるというメリットがあります。これは、各スタートアップに対して5万ユーロに相当する支援です。
先ごろInsurTechのハブシティ・ミュンヘン(InsurTech Hub Munich)とシリコンバレー出身のテック・アクセラレーターであるPlug&Playは、ミュンヘンを欧州のInsurtech中心地とするための長期的な協力関係を結びました。
Fintech立地としてのミュンヘンにとって、このような目的に敵った自発的な団体があるということは非常に意味のあることです。同じく財力のある投資家、現地の経済、アカデミーや政治との関係も重要です。つまり、関係各機関が様々なイベントや会議を通じて高次元で結びつき、デジタル化した金融・保険産業のハブ都市となったミュンヘンに更なる刺激を与えているということです。