Regions 2020年5月08日

フランケン地方:北バイエルンの真珠

フランケン地方の歴史は9世紀、つまり中世前期にまで遡ります。フランケン地方の区分は今日に至るまで明確ではなく、北バイエルン、バーデン・ヴュルテンベルク州、南テューリンゲン、そしてヘッセン州を含んでいます。この地方に住む多くの人が、フランケン地方のアイデンティティーである言語的・文化的習慣に誇りを持っています。それがどんなものか、ご紹介しましょう。

建築


上の写真はオーバーフランケン地方の一都市、バンベルク市にある木組みの家です。この建築様式は今日でもフランケン地方全体に特徴的なもので、観光客は元より、地元住民からも愛されています。特に興味深いのは、接合部分に釘やネジなどの金属を使わずに木を組んでいく建築方法で、これにより建物だけでなく修復自体が一つの芸術でもあります。フランケン地方のどの町で美しい木組みの家が見られるのか、中世のような街並みがどこにあるのかを後ほどご紹介いたします。

グルメ


フランケン地方のバラエティに富んだ料理は、他の地方で比較できるところがほとんどないくらいです。ここではどんな人にも好みの味が見つかります。ベジタリアンにはアスパラガスやチリメンキャベツが、お肉が好きな人には「ショイフェレ(Schäufele)」と呼ばれる肉料理がフランケン地方のメイン料理です。「ショイフェレ」は豚の肩肉のグリルで、その形からショイフェレ=シャベルと名付けられました。皮には斜めに切り込みを入れてカリッと焼きあげます。味はもちろん、その歯ごたえがたまりません。「カルプフェン・ブラウ」も同様にフランケン地方の名物で、これは鯉を使った料理です。9月から11月まで新鮮な魚を提供できるようにレストランの中には鯉の養殖場を持っているところもあります。そして、甘党の人にはフランケン地方特有のお菓子があります。ニュルンベルクのレープクーヘンほど有名なドイツのお菓子は他にありません。更にフランケン地方にはおいしいビールやワインが豊富にありますから、ワイン好き、ビール好きの人は喉の渇く間もないでしょう。


フランケンワインはバイエルンのワインの中でも一番人気で、フランケン地方のブドウ畑で作られます。フランケンワインにはシルヴァーナーやミュラー・トゥルガウのようなといった様々な白ワインがありますが、他にも特徴があります。ボックスボイテルと呼ばれるフランケンワインに特有の瓶がありますが、これはシルヴァーナーにのみ使われます。

ビールが好きな人ならバンベルクで徹底的に飲むことができます。マイン川とレグニッツ川に面したバンベルクの街には伝統的な醸造所が8か所あります。更に新しいビールを試行錯誤する小さな醸造所もあれば、自社製ビールを提供する宿屋兼レストランもあります。中でもバンベルクのラオホビアはフランケン地方のビールの中でも特に有名で、ビール愛好家に人気があります。

フランケン地方の観光

このようにフランケン地方は観光客に視覚的そして文化的な体験だけではなく、美食の体験も提供しています。
特に見るべきなのは、オーバーフランケンミッテルフランケンウンターフランケン行政地区それぞれの首都、バイロイトアンスバッハそしてヴュルツブルクです。バイロイトで世界的に有名なのはバイロイト音楽祭です。リヒャルト・ワーグナー博物館は通年ご覧になることができます。アンスバッハではブランデンブルク=アンスバッハ辺境伯のレジデンツ(居城)やオランジェリー(居城内の庭園に建てられた温室兼別邸)を見ることができます。ユネスコの世界文化遺産になっているのがヴュルツブルクのレジデンツ(領主司教の居城)です。ここからマイン川を眺めながらマリエンベルク要塞まで散歩することができます。特に中世の趣を残している街がバンベルクとローテンブルク・オプ・デア・タウバーで、木組みの家がたくさん見られます。フランケン地方の様々な面を体験したいという人にはマイン川クルーズがうってつけです。バンベルク、シュヴァインフルト、そしてヴュルツブルクの他にワインで世界的にも有名なフォルカッハのような小さな町を知ることができます。美しいフランケン地方の見どころを通り過ぎてしまわないように、フランケン地方に旅行する際には、ぜひガイドブックを忘れずにお持ちください。
 

方言


初めにフランケン地方の言語が土地のアイデンティティーになっていることについて触れました。フランケン方言についてここで全て説明することはできませんが、方言についてご関心があれば、「バイエルンの方言と言語の多様性」というブログがありますので、ぜひそちらもお読みください。 

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