#bytevaria talk 2017年12月12日

バイエルン州のインシュアテック: スタートアップのためのパートナーとアクセラレーター

バイエルン州は、既存のエコシステムと意欲的なスタートアップにより、デジタルスタートアップの本場としての存在感を更に高めている。これはインシュアテックの分野でも同じだ。というのは、若い創業者の意見やアイディア、イノベーションがいかに重要か、ということについて、保険業界のビックプレイヤーらが以前から理解していたからだ。

こういったビッグプレイヤーの正しい認識により、昨年には支援プログラムW1Forward InsurTech Acceleratorが誕生した。また、有名な保険会社12社が、業界のデジタルトランスフォーメーションに積極的に関与する目的で社団法人インシュアテックハブ・ミュンヘンを設立した。しかし、話はそれだけでは終わらない。

スタートアップ会議DIA がミュンヘンへ
 

ドイツ連邦政府のデジタルハブ・イニシアティブの一環としてバイエルン州の州都がインシュアテック・ハブ支援対象地域になったのに続き、デジタル・インシュランス・アジェンダ(Digital Insurance Agenda = DIA)がミュンヘンで開催されることになったことで、またひとつ重要なステップに進んだ。
昨年11月15日・16日の両日、インシュアテック最大のイベントDIAがミュンヘンのアイスバッハ・スタジオで開催された。イベントのオフィシャルパートナーは保険会社12社(ADAC, ARAG, Die Bayerische, Generali, HUK-Coburg, Versicherungskammer Bayern, WWK)で、インシュアテックハブ・ミュンヘンのメンバーだ。DIAの開催で、業界は大いに刺激を受けた。1000人を超える来場者を前に、世界中のインシュアテック企業60社が最新のデジタルソリューションを紹介し、テクノロジー系大手企業が基調講演に熱弁をふるった。
バイエルン州で開催されたDIAの盛り上がりは一時的なものではない。先ごろ主催者が発表したところによれば、2018年秋のDIAの開催地は再びミュンヘンになる。2018年11月下旬、今から予定表に「ミュンヘンでDIA」と書き込もう。

 

Werk1のインシュアテック・アクセラレーター
 

ところで、DIAは前述の支援プログラムW1 Forward InsurTech Acceleratorでも重要な役割を果たす。既に2016年に好評を得たこの支援は、第二弾として2017年初めに世界中の応募者の中からスタートアップ5社を選んだ。選ばれた5社は、ミュンヘンにあるインキュベーション施設Werk1で個別のコーチングや幅広いネットワーキングを含む広範な支援を受ける。更に専門家によるレクチャーとキーパーソンと知り合う機会がある質の高いネットワークも用意されている。
DIAの2日目にあたる2017年11月16日に2017年の選抜は終わった。選ばれたスタートアップHeartshield、Etherisc、Karlsson、Personiq、Tapolyの創業者らは、最後に世界的な投資家の前で発表を行った。

シリコンバレーからのサポート

世界的なスタートアップ会議やインシュアテック・アクセラレーターの他に、今年からはシリコンバレーからのサポートも新たに加わった。一流のアクセラレーターである「プラグ&プレー」がバイエルン州にインシュアテック部門の支社を設立した。インシュアテック・ハブであるミュンヘンには、近い将来にはプラグ&プレーのインシュアテックに特化したマーケットが現れるだろう。
ミュンヘンのプラグ&プレーは昨年11月14日、DIAのオープニングの際にミュンヘン支社のキックオフイベントを行い、2018年に公式に活動をスタートすると予告した。Invest in Bavariaは、インシュアテック産業の支援で培った経験によりプラグ&プレーの誘致に成功し、共にバイエルン州をインシュアテック産業の中心地として推進していくことができるだろう。