Automation Valley 2016年6月20日

インダストリー4.0のトレンド-バイエルンの電子・電気工学

6月末、ミュンヘンは電気工学に関わる全ての産業の開発と革新の中心地に変わった。というのは、6月21日~24日に2年に一度開催される国際見本市automaticaが開かれたのだ。自動化とメカトロニクスに関するが最新技術があらゆる視点からお披露目され、業界をリードするイベントだ。製造工程の最適化、コスト削減、製品品質の向上など、Automaticaはバイエルンで隆盛する産業分野の見本市とも言える。

Automatica はロボット、組み立て、操作といった最新技術に関する、世界でも最も大規模な展示会である。今年のトレンドであるサービスロボットの展示には特別エリアが設けられていた。Automaticaは広範な展示でバイエルン州が強みとする産業の一端を紹介する。2014年、バイエルン州の企業は250億ユーロの利益を達成した。これは全ドイツ工業収入の約40%にあたる。様々な領域の産業が絶え間なく電気・電子工学分野の革新を生み出しており、この傾向は近年強まっている。半導体メーカーのインフィニオン・テクノロジーズInfineon Technologies や車両技術のボッシュ Bosch 、コンティネンタル Continental 、リープヘアLiebherrなど世界的企業ばかりでなく、ローカルプレイヤーにもその例を見ることができる。例えばオーバープファルツ地方エッシェンバッハにあるプリント基板メーカーRogers Germany (旧curamik electronics社)だ。ネットワーク化のトレンドと効果的な資源活用への関心の高まりがサクセスストーリーを生み出している。さらに北バイエルン地方では有用、安全かつ環境に配慮した自動化を促進するという目的を持った自動化技術関連の2004の企業と研究機関が集まり、オートメーションバレー北バイエルン(Automation Valley Nordbayern)を結成している。
 

経済界と学術界の緊密な連携
 

バイエルン州企業の成功は革新力だけによるのではなく、バイエルン州がエレクトロニクス産業に注力しているという前提条件がある。バイエルン州の5つの総合大学と14の単科大学が有能な後継者を育成することに専心しており、卒業生に対する企業の需要も大きい。しかしそれだけでなく、研究開発においてもバイエルン州の大学群が大きな役割を果たしており、産業界とも緊密に協力している。この分野における新たなテクノロジーの発見を支援する様々な事業者があり、多様な専門学習の機会を提供していることも付け加えておこう。そういった事業者の中に東バイエルン・テクノロジートランスファー・インスティテュート Ostbayerische Technologie-Transfer-Institut OTTI やバイエルン・イノバティブ Bayern Innovativ がある。

そして、パワーエレクトロニクス Leistungselektronik、メカトロニクス&オートメーション Mechatronik und Automation、センサー Sensorik、マイクロシステムテクノロジー Mikrosystemtechnikなど多様なバイエルン州のクラスターがそれぞれの産業分野を結びついている。クラスターは産学両方の長所を連携し、専らバイエルンの企業が新たな市場を開拓するための支援を行う。これにより、大企業だけが手厚い支援を受けるわけではではなく、スタートアップ企業も、例えば大企業や投資家とのコネクションであったり、アイデアを実現するための資金だったり、様々なサポートを得ることができる。
 

スタートアップ企業にとってはチャンス
 

今年11月8日から11日にミュンヘンで開催される展示会 electronica には起業家にとって自分たちのアイデアを実現するための更なる可能性が用意されている。コンポーネント、エレクトロニクス関連システムと応用技術の世界的な展示会であるelectronicaでスタートアップ企業は製品あるいはサービスを特別展示ブースで紹介するチャンスがある。この展示会で開催されるファストフォワード・スタートアップ・アワード Fast Forward Start-up Award の勝者にはマーケティングキャンペーンと2年後に開催されるelectronicaへの単独出店が賞品として贈られる。

全ての産業分野がデジタル化の進行でさらに恩恵を受けており、これはインダストリー4.0の促進にも大きく関わっている。このテーマについて更に興味があればぜひGEのDr. Carlos Härtelとの対談 #bytevaria talks や統計資料もご覧いただきたい。